ギリシャのダークウェーブ・デュオ Paradox Obscur、新作アルバム『IKONA』とMV「Like a Freak」をリリース

Between the DoorsNEWS10 months ago32 Views

ギリシャ・アテネのデュオ Paradox Obscur が、最新アルバム『IKONA』を Metropolis Records からリリースした。

Kriistal Annと Toxic Razorによるこのプロジェクトは、2010年代からAccess Virus TI Polar、Korg MS2000、Roland JD-Xi、などのハードウェア・シンセサイザーとドラムマシンを中心に制作を行い、コンピュータを使わずにライブ録音を完結させる手法で知られてきた。

新作『IKONA』では、その暗闇と肉体性をさらに深化させ、トランスやItalo disco、ユーロビートの速度感をダークウェーブへと接続している。

アルバムを通して、Kriistal Ann の霊的で情感あるヴォーカルと、Toxic Razor の低く機械的な語りのコントラストが印象的だ。
Ann の声は内面の熱を滲ませ、Razor の声は無機質なトーンで応答する。
その対比が、人間と機械、感情と構造という二項の緊張を鮮明に描き出している。

サウンド面では、Giorgio Moroder を源流とする Italo disco 的アルペジオや、Shep Pettibone が80年代NYクラブで磨き上げたポスト・ディスコ的スネアロールが偏在し、時代観のクロスオーバーとダイナミクスが感じられる。

リード曲「Like a Freak」では、アナログ機材だけで構築されたリズムが骨格のように鳴り、削ぎ落とされた音数がかえって有機的なうねりを生み、近年のポストクラブ的洗練の文脈へも結合する。

同曲のモノクロMV(監督 Pavel Vishnevsky)には、ダンサー Nicola Di Pierro が登場し、映像でも音の緊張と解放が可視化され、Post-Punk.com が評した “Precision can ache(精密さもまた痛みうる)” という言葉を裏付けている。

Paradox Obscur は Wave Gotik Treffen や Waveteef などのフェスティバル出演でヨーロッパシーンでも知られ、 第72回ベルリン国際映画祭コンペティション部門正式出品作『That Kind of Summer』(監督 Denis Côté, 2022)や短編『Peppermint Diesel 20%』(監督 Mariangela Pluchino, 2025)にも楽曲を提供している。

新作『IKONA』は、ダークウェーブの構築美とクラブ・カルチャーの推進力をアナログ回路で融合したアルバムだ。
インダストリアル、 クラブ寄りの機能性と、宗教的とも言える静謐な荘厳さが共存している。

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