
イタリアのアーティスト、Alex Fernet(アレックス・ファーネット)が、本日 Bronson Recordings からニュー・アルバム『Modern Night』をリリースした。
イタリアのアーティスト、Alex Fernet(アレックス・ファーネット)が、Bronson Recordings からニュー・アルバム『Modern Night』をリリースした。
本作は、ソウル、ファンク、イタロディスコ、ニューウェイヴといった“ポスト”要素を融合させたヴァンパイア的な誘惑のような作品であり、ノワール映画的な美学をまといながら、David BowieからGaznevada、David SylvianやScott Walker、The Human League、The Style Councilといったアーティストたちを結びつけるような音世界を描く。
『Modern Night』はFernet自身によって作詞・作曲・演奏・プロデュースされ、イタリア・ラヴェンナのDuna Studioでレコーディング。ミックスとマスタリングは、Maurizio “Icio” Baggio(The Soft Moon, Boy Harsher)が担当しており、作品全体にスペクトラルな透明感とアナログ的な温かみをもたらしている。
Fernetは次のように語っている。
「このアルバムを“ダーク・ソウル・レコード”のように感じられるものにしたかった。反響するピアノや反逆の天使、60年代の亡霊たちが、マイナーコードと壊れたシンセの中で出会う場所。笑顔を見せないファンクが、何かを探して路地裏へ消えていくような音楽です。」
アルバム『Modern Night』を通して流れる物語的なモチーフは、先行シングル「Sunlight Vampire」で登場した“Sunlight Vampire(太陽の光を浴びるヴァンパイア)”というキャラクターに象徴されている。比喩であり幽霊のような存在でもあるこの人物は、アルバム全10曲を通して彷徨い、ノスタルジーを政治的な行為へ、憂鬱を抵抗のかたちへと変えていく。これは単なる“ハントロジー(幽霊的音楽)”の再現ではなく、現代の表層的な明るさや強制的な楽観主義への拒絶としての姿勢でもある。
音楽的には、AOR的なラジオ・バラード、ポスト・インダストリアル・ファンク、そして希望を削ぎ落としたソウル・ミュージックの断片が交錯するなど、ジャンルの枠を軽やかに越境する。
“爪の間に土が残るようなフューチャー・ノスタルジア”とも言うべきこの作品は、デジタルな完璧さを拒み、アナログな不完全さを肯定する現代的なアプローチを体現している。
Fernetはこうも語る。
「今のように過度に編集された音があふれる時代では、“音を呼吸させる”ことこそ最も急進的な行為かもしれない。過去からの多くの影響を受けつつも、それらの組み合わせと再解釈によって、新しい何かを生み出せると信じています。」