
ポートランドのノーウェイヴ/アングラー・ポストパンク・バンド、RAYONが新曲「Shopping」を発表した。消費主義と旅を題材にしたこの楽曲は、疲弊と再生の狭間で生まれた、ユーモラスかつ批評的な一曲だ。映像は懐かしさ漂うSuper 8フィルムで撮影され、スーパーマーケットでの撮影中に退店を命じられるというエピソードも含まれている。リスナーを軽妙に巻き込みながら、日常の中に潜む異化の感覚を描き出している。
B面曲「Running」とともに、7インチ・ヴァイナルおよびデジタル配信でLittle Cloud Recordsよりリリース。エリック・サバティーノを中心とするこのプロジェクトには、Sun Atoms、Yuvees、Pastilla、Martha Staxのメンバーが参加。録音は16トラックの1/2インチ・テープで行われ、プロデュースとミックスはサバティーノとエンジニアのLarry Crane(Cat Power、Sleater-Kinney、The Go-Betweens、Elliott Smith、Death Cab for Cutie)が担当。マスタリングはTimothy Stollenwerk(Yo La Tengo、Grouper、Morphine)が手がけた。
本作についてThe Spill Magazineは「アナログの真髄を追求した作品。まるで90年代初期の未発掘の名作のよう」と評している。サバティーノは「人間的に作ることを忘れたくない。だからテープやフィルムで作業する。完璧じゃなくていい、不完全だからこそ生きている」と語る。
燃え尽きかけた創作意欲を取り戻すために訪れたメキシコでの体験が、バンドに再びエネルギーを与えたという。新作『Shopping / Running』は、その再生の記録でもある。
