
オーストラリア・バイロンベイを拠点とするインディー・サーフロック・デュオ、Sun Wildeがセカンド・シングル「Timeless」を公開した。前作に続く本作は、同地の海岸文化と親和性の高いサウンドを軸に、より内省的で感情に寄り添う表現を深めた一曲となっている。
「Timeless」は、きらめくエレクトリックギターと、リバーブを効かせた推進力のあるリズム、そしてドリーミーなボーカルが印象的な楽曲だ。テーマとして据えられているのは、愛する人を想う静かな喪失感、時間の儚さ、そして人と人との真摯なつながりの大切さ。Chris del Marは本作について、新しい誰かに心を開くことの美しさや、限られた人生の中で人との関係性を通じて「生きている」という感覚を実感することを描いたと語っている。
楽曲は、空港からの帰路で録音されたボイスメモのメロディーや歌詞の断片を出発点に、その日の夜のうちにスタジオ・デモへと発展したという。即興性と率直な感情がそのまま音に封じ込められた制作背景は、Sun Wildeの特徴でもある親密で誠実なサウンドと直結している。
Sun Wildeは、感情を核に据えたプロジェクトとして活動を続けており、「Timeless」でもその姿勢は一貫している。過度な装飾を排した楽曲構成の中で、個人的な感情や体験がリスナーの記憶に静かに残る表現へと昇華されている点が印象的だ。
今後、デュオは3月にSonora Studiosへ入り、Surf TrashやRum Jungle、The Terrysなどを手がけてきたプロデューサー、Jack Nigroと共に新曲2曲のレコーディングを予定している。オーストラリアの現行サーフロック・シーンを支える人物との制作は、次の展開を示唆する動きと言えるだろう。
現在はまだ草の根的な段階にあるSun Wildeだが、メンバーそれぞれは別プロジェクトでの豊富なライブ経験を有しており、Splendour in the Grass 2023やSXSW Sydney 2025への出演歴も持つ。これまでにSun Room、Rum Jungle、Old Mervs、The Terrysなど国内外のアーティストと共演を重ねてきた実績が、着実な支持につながっている。