
イタリアのポストパンク・バンド Talk To Her が、2ndアルバム『Pleasure Loss Desire』を Shyrec / Icy Cold Records からリリース
イタリアのポストパンク・バンド Talk To Her が、2ndアルバム『Pleasure Loss Desire』を Shyrec / Icy Cold Records からリリースした。

本作は、快楽と喪失のあいだにある「感情の渦」へと深く潜り込む作品。理想の自己像がもはや世界に映し出されなくなった時、無関心や切り離しは単なる反応ではなく、生き延びるための防衛手段となる。痛みを鈍らせる避難所としての“深淵”は、やがて私たちを閉じ込める罠にもなり得る——そんなテーマがアルバム全体を貫いている。
音楽メディア Post Punk は「『Pleasure Loss Desire』全編を通じて、Talk To Herは物語よりも感覚に焦点を当てている——感情の物理的な衝撃、切り離された痛み、そして降伏の陶酔を描いている」と評し、Elektrospank は「今年最も重要で、感情的に打ちのめされるポストパンク作品のひとつ」と絶賛。Alt77 は「完璧なサウンドシステムを備えた地下空間で鳴らすための音楽。威圧的でありながら、同時に踊るための音楽でもある」とコメントしている。さらに Analogue Trash は「Violator期のDepeche Modeを思わせるロック/エレクトロニックのハイブリッドな質感」と述べ、Apartment 26 は「Joy Divisionの冷たい哀愁とJon Hopkinsの電子的な深みを融合させた」と評している。
アルバムは、明晰さと忘却が交錯する冷たい世界を下降しながら、静と動、平穏と激情のあいだを揺れ動く。欲望、苦悩、郷愁、希望、恐れといった相反する感情を描き出し、不確実な時代を生きる人間の脆さを浮かび上がらせる。
前作『Love Will Come Again』での情熱的なテーマから一転し、本作では疎外、苦悩、恐怖といった要素が中心に据えられている。サウンドとボーカルはより冷たく攻撃的に変化し、依然として“wave”の影響を感じさせながらも、ポストパンクの比重が増し、90年代末から2000年代初期のポスト/オルタナティヴ・ロックの要素が融合している。
共同プロデュースと録音は、Maurizio Baggio(The Soft Moon, Boy Harsher)が担当。
『Pleasure Loss Desire』の試聴・購入はこちら