The Quality of Mercury『The Voyager』MV公開、孤独な航行を描くタイトル曲

Between the DoorsNEWS4 days ago9 Views

ペンシルベニア拠点のアーティスト、The Quality of Mercury(Jeremiah Rouse)が、セカンド・アルバム『The Voyager』のタイトル曲「The Voyager」のMVを公開した。デビュー作『Transmission』から9年ぶりとなる同作は、「Heaven’s Gate」「Ganymede」に続く映像作品で、距離、発見、変容といったテーマを軸に、宇宙空間を漂う孤独な旅路を描く。楽曲は静寂に満ちた銀河を背景に、果てのない未知へと深く進む“ひとりの航行者”を追い、孤独によって心が変質していく過程を、叙情的なサウンドとともに表現する。

Rouseは作曲、演奏、エンジニアリングまでを自身で担い、映画的なスケールとインディ・ロック的な推進力を兼ね備えたサウンドを構築してきた。本人は本作について、「探求の果てで、孤独が心をどう形づくるのかを描いた。アルバム全体の核心を一曲に落とし込み、聴き手を旅に連れていきたかった」と語る。アルバム全体は、興奮、不安、渇望、内省といった感情の揺らぎを横断し、繰り返し聴くことで細部が立ち上がる構造になっている。

MV制作は、Francesca Bonci が手がけた。Bonci はTombstones In Their Eyes、Federale(BJMのCollin Hegna)、Philip Parfitt、Peter G. Holmström(The Dandy Warhols/Pete International Airport)、SlowdiveのRachel Goswellらの作品も手がけてきたイタリアのマルチアーティストで、今回も映像的な手法で楽曲の世界観を補完している。

Rouseは映画制作のバックグラウンドと長年のSF映画への愛着をもとに、楽曲を“映画の一場面”のように構築する手法を取っている。音響設計は綿密で、微細な音の動きやステレオ感覚の変化が随所に散りばめられ、壮大さと親密さが同居する。アルバムでは、宇宙探査のスケール感と、遠く離れた存在に信号を送るような切実さが共存し、Rouseが抱く“つながりへの希求”が物語として編み込まれている。

『The Voyager』は、孤独と発見の境界線で揺れる心理を描きながら、聴き手を静かに包み込む作品となっている。

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