Interview — Soft Science

Between the DoorsINTERVIEWS, NEWS, FEATURE15 hours ago33 Views

15年経っても、まだ音楽を作っている。変わり続ける方法も、変わらない楽しさも、そのすべてがSoft Scienceの現在につながっている。自分たちが納得できる音楽を作り、それを誰かに届けていく。そのシンプルな思いは、今も変わらない。

2009年にSoft Scienceとして活動を始め、California Orangesから方向を変えながら、shoegazeやdream popの要素を取り入れてきたバンド。『Highs and Lows』から『Detour』『Maps』『Lines』、そして『Sand』まで、15年にわたって5枚のアルバムを発表し、その音楽は少しずつ形を変えてきた。現在はボーカル、ギター、ベース、ドラム、シンセ、エレクトロニクスを含む6人編成で活動している。
『Lines』ではパンデミックの影響もあり、メンバーそれぞれがデモやトラックを送り合いながら遠隔で楽曲を形にしていった一方、『Sand』では再びメンバーが直接集まり、レコーディング前に一緒に曲を作り込むプロセスを取り戻した。Katie HaleyとRossは歌詞を共同で手がけ、その時期にそれぞれが考えていたことも作品に反映されている。
今回のインタビューでは、California OrangesからSoft Scienceへと移行した背景から、15年にわたる制作プロセスの変化、『Sand』を形作った共同制作、ジャンルとの距離感、歌詞と個人的な経験の関係、そしてこれからも音楽を作り続けていくために大切にしていることについて、Katie Haleyに話を聞いた。


―California Orangesは、あなたとRoss、MattがSoft Scienceを結成した頃に活動を終えています。新しいバンドを始めようと決めたときは、California Orangesで始めていたことをそのまま続けようとしていたのでしょうか。それとも、何か新しく違うものを作ろうとしていたのでしょうか? 当時、Soft Scienceをどのようなバンドにしたいと思っていましたか?

Katie: ええ、少し違うものを始めたかったんです。California Orangesは、もっとストレートなインディー・ロック/ポップ・バンドだったので、Soft Scienceでは、Ride、Lush、Slowdive、Stereolabのようなバンドに影響を受けた、もっとシューゲイズ/ドリームポップ寄りの方向へ進みたいと思っていました。
全体として、もっと音響的で、雰囲気のある要素を音楽に取り入れたかったんです。最初のアルバム『Highs and Lows』は、今聴くと本当に過渡期のアルバムだと思います。でも『Detour』の頃には明確なビジョンが見えてきて、自分たちのサウンドを見つけ始めました。そして、そのサウンドは5枚のアルバムを通して進化してきたと思います。

―『Highs and Lows』(2011年)から『Detour』『Maps』『Lines』、そして現在の『Sand』まで、Soft Scienceは15年にわたって5枚のアルバムを発表してきました。この5作品を振り返ったとき、曲を書いたり音楽を作ったりする方法で最も大きく変わったと感じるのはどんなところでしょうか? また、Soft Scienceのアイデンティティとして変わらず大切にしているものはありますか?

Katie: 以前は、みんなで週に一度集まって、練習したり新しい曲を作ったりしていました。でも年月が経つにつれて、それぞれの生活が変わり、毎週欠かさず集まることが難しくなっていきました。
Rossが曲のデモを作って、それをみんなに送るようになり、集まれるときにそれぞれが個別に手を加えていきました。そしてある程度形ができたら、録音しながらさらに作り込んでいくという方法です。
パンデミックの影響もあって、『Lines』では、この離れた状態で曲を書き、録音する方法がメインのプロセスになりました。
『Sand』では、レコーディングを始める前に、実際に集まって一緒に曲を作り上げる時間を意識的に作りました。デモ、実際に集まること、そして基本的なトラックを録音したあとに、私たちらしいエレクトロニクスやハーモニー、さらにテクスチャーとなるパートを加えていく。その両方の方法の良いところを取り入れたことで、『Sand』はより良いものになったと思います。

―近年の作品については、「post-punk」や「darkwave」といった言葉でも語られています。こうした表現については、どのように捉えていますか? また、現在のSoft Scienceの音楽の中で、そうした要素にはどのような意味がありますか?

Katie: どの呼び方も、少し抽象的すぎるように感じます。そういう言葉を使っているのは、基本的には周りの人たちからそう呼ばれてきたからです。
私たち自身も、適切なムードを作るために、少しダークな方向を保とうとはしています。でも、ポップな傾向もかなりあるので、暗くなりすぎないようにしています。少なくとも、どの曲にも必ず何らかのメロディックなフックがあると思います。

―現在のSoft Scienceは6人編成で、ボーカル、ギター、ベース、ドラム、シンセ、エレクトロニクスなどをメンバーそれぞれが担当しています。ひとつのアイデアが、完成したSoft Scienceの曲になるまでには、通常どのようなプロセスがありますか? 誰かが完成したアイデアを持ち込むところから始まるのでしょうか。それとも、メンバー全員で取り組む中で最終的な形を見つけていくことが多いのでしょうか?

Katie: 先ほども話したように、普段はRossがアイデアのデモをバンドに送ってきます。ボーカル・メロディーと、書きかけの歌詞が入っていることもあります。それをそのまま残して発展させることもあれば、もっと良いアイデアが出てきたら、使わなくなることもあります。
デモは、ドラムマシンの上にリズムギターを乗せただけのシンプルなものが多いので、そこにほかのメンバーがアイデアを加える余地があります。最終的な形になるのは、全員がそれぞれ、時には個別に、できれば一緒に時間をかけて曲に向き合い、形を作っていってからですね。

―『Lines』の制作は、パンデミックによって形作られ、メンバーがトラックを送り合いながら遠隔でアルバムを発展させ、その後再び集まって作品を完成させたと説明されています。その経験を振り返ってみて、『Sand』の制作やレコーディングへのアプローチにも影響はありましたか? 今回は意識的に違うことをしようとしたのでしょうか。それとも、『Lines』で学んだことが自然に引き継がれていったのでしょうか?

Katie:『Lines』は良いアルバムだと思っていますが、同じ方法で曲を書いたり、レコーディングしたりすることは望んでいませんでした。先ほども話したように、実際に集まって、アイデアを試したり、一緒に形にしていったりする時間をきちんと作りたかったんです。それが実現できてよかったです。
それから、ミックスはKev Bolusにお願いしました。彼は『Sand』で私たちが目指していた雰囲気をよく理解してくれて、それが最終的な作品に大きく役立ちました。

―再び共同制作の形に戻ったことで、実際に一緒に作業することは、曲が形になっていく過程で、その曲の聴こえ方や捉え方にも変化をもたらしましたか?

Katie:その方が、より多くのアイデアを使えるので、レコードがより良いものになると思います。それに、制作を始めた段階で、みんながレコーディングに向けてより準備できていました。
それに加えて、より共同で作る形になるほど、みんながその作品を自分たちのものだと感じられるようになります。

―『Sand』のアルバム・ディスクリプションでは、愛や記憶、アイデンティティがプレッシャーの中で変化していくことや、保証のない世界でつながりを選び続けることなど、「impermanence(移ろいやすさ/永続しないこと)」を軸にしています。この「impermanence」という考えは、アルバム制作の最初から存在していたのでしょうか? それとも、曲が形になっていく中で次第に明確になっていったのでしょうか?
そして、アルバムがリリースされた今、『Sand』という作品そのものはあなたにとって何を表していますか?

Katie: 私たちは、テーマを決めてからアルバムを作ることはありません。アルバムを作っていく過程で、自然とひとつのテーマが生まれてくることは面白いと思います。
Rossと私は歌詞を一緒に書いているので、アルバムには、曲を書いていた時期に私たちがそれぞれ考えていたことが反映されることが多いと思います。歌詞という面では、『Sand』は、私にとって意味のある一連の曲で、Rossと私がここ数年、それぞれ個人的に向き合ってきたさまざまな問題やテーマが、独自の形でこのアルバムに集まったものを表しています。
ほとんどのアルバムは、おそらくセラピーのようなタイムカプセルなんじゃないかと思います。うまく説明できているか分からないけれど、Paul McCartneyがソングライティングについて有名に語ったことに少し似ています。
「音楽は精神科医のようなもの。人には言えないことをギターに話せる。そしてギターは、人には言えないことを返してくれる」

―「Understand」は、Ross Levineが書いたコーラスから生まれ、「and I know one day you’ll understand」という一節が曲のメッセージの土台になったと説明されています。また、Katieさん自身も、ティーンエイジャーの子どもたちを育てた経験とその言葉を結びつけたとされています。その個人的なつながりは、どのようにして、ひとつの家族や関係を超えて伝わるものになっていったのでしょうか? より広く考えたとき、現実の生活が曲の感情的な世界を形作る余地を残しておくことは、Soft Scienceにとってどのくらい重要ですか?

Katie:私たちはいつも、必ずしも具体的ではないけれど、誰かが共感できる歌詞を書くことを目指しています。
自分たちは何にインスピレーションを受けたのかを知っているかもしれません。でも、あえてそこに幅を持たせるようにしています。
最近、あるファンからメッセージをもらいました。その人は、1年ほど前に私たちのことを知って、私たちの音楽が人生の中で大変な時期を乗り越える助けになったと書いてくれていました。
私にとって、それは、私たちの音楽を聴く中で、その人自身もそこに何かを重ね合わせて、少しでも孤独を感じずにいられる余地があったということだと思います。
このフィードバックは、私たちにとって本当に大きな意味があります。たった一人でも、この世界で少し孤独を感じずにいられるよう助けることができたのなら、それだけですべてが報われると思います。

―Soft Scienceの歴史については、Katie Haleyと兄弟のRoss Levine、Matt Levineがバンドの創設時の中心だったとされ、初期にはMason DeMusey、その後はTony Cale、Hans Munz、Becky Caleが加わるなど、メンバーは変化しながら現在の6人編成へと広がってきました。こうした変化によって、メンバー間で音楽的なアイデアが行き来し、曲へと発展していくプロセスにはどのような影響がありましたか? また、現在の6人編成だからこそ探求できることで、以前の編成では難しかったものはありますか?

Katie:補足すると、Hansはインスピレーションを受けたときに、アルバムのさまざまな曲へエレクトロニック・パートを加えています。私たちは彼の意見をすごくありがたく思っています。彼が何かを加えてくれると、いつも曲がさらに良くなるんです。
ライブでのボーカルは、Beckyが加わってバック・ボーカルのハーモニーを入れてくれるようになったことで、今はアルバムにより近くなったと思います。彼女はとても才能のあるミュージシャンですし、Tonyと彼女がバンドにいてくれることを幸運に思っています。

―Soft Scienceは2009年に始まり、『Sand』で5枚目のアルバムに到達しました。15年以上にわたって音楽を作ってきた今、現在のインディペンデント・ミュージックの世界の中で、またシューゲイズ・シーンとの関係において、Soft Scienceがどのような位置にいると考えていますか?

Katie: 正直、よく分かりません(笑)。広いシューゲイズ・シーンやインディー・ミュージックの世界の中で、自分たちがどこにいるのか、あるいはどの位置にいるのかを判断するのは難しいです。
ひとつのジャンルに入れるのが難しいバンドなんだと思います。シューゲイズのように聴こえたり、感じられたりするときもあれば、インディー・ドリームポップのように聴こえたり、感じられたりするときもあります。
これまで聴いてきた音楽、そして自分たちに強く影響を与えた音楽のすべてが、自然と今作っている曲の中に出てきているんだと思います。
どんなラベルを付けられるかに関係なく、私たちの音楽が人の心に響いて、聴いてもらえたらそれでいいと思っています。

―『Sand』を通して初めてSoft Scienceを知るリスナーにとって、最初の一聴では見えてこないバンドの一面があるとすれば、それは何でしょうか?

Katie: うーん、それは難しいですね。
最初に聴いただけでは、分からないことがたくさんあると思います。できれば、そのまま聴き続けて、いくつか曲を聴いて、アルバムにある変化を感じてもらえたらと思います。
『Sand』というアルバムは、ひとつの音楽的な旅だと言いたいです。途中には上がったり下がったりするところがあって、そこでいろいろなことを考えていくようなアルバムです。

―Soft Scienceとして15年以上活動してきた今、現在の場所から見えているバンドの旅の中に、始めた当初には想像できなかったような理想の目的地はありますか? これから先、そうした目標に向かって活動していく中で、バンドを通して何を実現したいと思っていますか?

Katie: 私たちは、本当に曲を書くことと音楽を作ることを楽しんでいます。
それが意味のあることで、そして自分たちにできる限り、これからも続けていきたいです。
今を生きることが一番だと思っています。そして今は、自分たちが作ったレコードを誇りに思っていますし、それを届けるために、できる限りたくさんライブをすることに集中しています。

―このインタビューを通して初めてSoft Scienceを知った人に向けて、最初に聴く曲としておすすめするとしたら、どの曲でしょうか? その曲がSoft Scienceへの入り口として良いと思う理由は何ですか?

Katie: 「Understand」には、私たちが一番得意としていること、あるいはSoft Scienceのサウンドや雰囲気をひとことで表したようなものを感じます。
まだ私たちの音楽を聴いたことがない人にとって、最初の一曲としていいと思います。

―『Sand』の中で、もう少し注意深く聴いてほしい曲や瞬間はありますか? 繰り返し聴くことで、アルバムやSoft Scienceについてより多くのことが見えてくるようなものがあれば教えてください。

Katie: 「Sway」は『Sand』にとって運命的な最後の曲だと思います。
歌詞の面では、面白いことに、アルバムの別の曲でより深く扱っているさまざまなテーマに触れていて、それらをほとんどひとつの解決へとつなげています。
それに音楽的にも、6人全員にとって最高の仕事のひとつが詰まっていると思います。時間をかけて形作られてきたSoft Scienceのサウンド、その核となる要素がとてもよく出ている曲です。

―2009年にSoft Scienceを始めようと決めた当時の3人に、今のバンドについて何かを見せることができたとしたら、現在のSoft Scienceについて、どんなことが一番驚かせると思いますか?

Katie: それでもまだ続けていて、自分たちが納得できる音楽を作り続け、それを世の中に届けていると知ったら、それだけで嬉しいと思います。


Soft Science

2009年にサクラメントで結成。ドリームポップ、シューゲイズを軸に、ポストパンクやダークウェーブの要素を取り入れ、エセリアルなボーカル、ツイン12弦ギター、ベース、ドラム、シンセサイザー、エレクトロニクスを重ねたサウンドを展開している。2011年の『Highs and Lows』、2014年の『Detour』、2018年の『Maps』、2023年の『Lines』を経て、2026年9月に5作目のアルバム『Sand』をShelflife RecordsとSpinout Nuggetsから発表。現在はKatie Haley(lead vocals / percussion)、Matt Levine(lead guitar)、Ross Levine(guitar / backing vocals)、Tony Cale(drums)、Becky Cale(bass / backing vocals)、Hans Munz(atmospheric electronics)の6人編成で活動している。

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